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過去の事例

ケース 4 :「取引先の倒産が切っ掛けで…」志村さん(仮称)

奈良県生駒市で社員20人の内装業を経営する志村さん(仮称)43才のバリバリの女性経営者のお話です。

弟さんはサラリーマンになってしまい、もともと建築が好きだった志村さんがお父さんの後を継いだそうです。大学は建築学科を卒業。志村さんは何ら抵抗も無く家業を継いだそうです。
志村さんの夫は裏方で専務になって、2人で頑張ってきました。子供は2人おり、生駒市の実家でご両親含め6人で生活してきました。事業も順調に行っている為に、弟夫婦に実家を譲り、平成12年に生駒市に88平方mのマンションの一時募集に応募したのが春の事です。入居は12月。価格は5,800万円。頭金は1,000万円。

夏休みに子供を転校させ、7月には生駒市の購入するマンションの近くに賃貸マンションに引っ越し準備を整えていました。
秋になると事態が急変しました。仕事の受注先の建設会社が不渡りを出し倒産。志村さん(仮称)の会社は6ヶ月分6枚の手形を持っており、総額3億円以上あります。むろん全て不渡りです。銀行で割引をしていたので、銀行との交渉が毎日のように続いておりました。その合間に、マンションの購入を止める旨をマンション業者に連絡すると、販売価格の20%を違約金として支払っての解約との回答です。ただでさえ金策に走り回っているのに、1,000万円の違約金なんて払う事が出来ず、銀行との交渉が上手く行きさせすれば何とかなると思い、結局、購入する事にしてしまいました。マンションに入居する頃には会社は倒産寸前です。

志村さんは、ほとんど毎日の様に銀行に行き交渉をしてきましたが、平成13年4月に銀行との交渉も決裂し会社は倒産状態となり、残っていた5人の社員も解雇、夫と2人だけになってしまいました。それでも、仕事を依頼してくれる会社もあり、そのまま下請けに回し、少しだけの利益を取っていたそうです。
銀行との交渉が決裂したため、銀行は担保に取っていた生駒市の実家を競売にかけてきました弟夫婦が両親を引き取り賃貸アパートに引っ越して行きました。長い間、住んでいた実家も競売で落札され人手に移ってしまったそうです。

購入したマンションは約1年間、遅れながらも返済をしていたそうです。夫は気の強い奥さんに付いてきただけなのですっかりダメ夫になってしまい、仕事にも就かず毎日ブラブラです。弟夫婦に両親をたのみ、志村さんは学生時代の友人を頼り奈良市に引っ越されました。夜はスナックに勤め、昼は週3日、工場にパートで勤める事にしたそうです。夫には離婚を告げたのですが、その後、マンションに半年ほど住み続け、電気を止められ出て行ったそうです。

我々が債権会社の依頼で、志村さんに会いに行った時は母子家庭とのことで公営の団地に住んでいました。小学校2年生になる男の子を連れて待ち合わせの喫茶店に来た志村さんは、まだ女社長の面影も残していました。
今後の生活への不安はあるのでしょうが、売却には応じてくれ「専任契約書」にハンを押してくれました。「子供が2人居るので、破産者にはなりたくないんです」とキッパリ言われたのが印象に残っています。権利書を紛失していたために保証書で売却をする事となりました。そのために3度生駒市へ行きました。志村さんの協力で手続きは順調に進みました。

マンションの売却価格は2,200万円と購入価格の半分以下です。志村さんの場合、商工ローンやサラ金に手を出していなかったのが不幸中の幸いです。銀行だけの借金で当座も使っていなかった為、支払いは銀行一つのみです。銀行へは少しづつ返済していくそうです。かしこい志村さんの事です、上手くしのいで欲しいです。

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